作品の説明日本ではほとんど取材され、伝えられることのなかったアンゴラ内戦。東西冷戦が終わるや、90年代に入り政府軍(MPLA/アンゴラ解放人民運動)と反政府ゲリラ(UNITA/アンゴラ全面独立民族同盟)との間で政治的主導権、豊富な石油資源の支配をめぐる戦いが長い間続いた。多くが犠牲となり、また難民、被災民となって家を追われた。 93年3月、わたしはナミビアからアンゴラの首都ルアンダに入った。そこからさらに反政府ゲリラUNITAの拠点フアンボに入り、UNITA、被災民キャンプ、戦闘で破壊され、建物の至る所に無数の弾痕が生々しい町の様子を取材。最大の成果はUNITAのリーダーでカリスマ的存在であるジョナス・サビンビ氏に会うことができ、インタビューを撮れたことである。ある時、画にあるフアンボ中央病院を訪ねた、金、モノ、すべてが不足している中で、病院の姿は痛々しいほど荒れて何もなかった。 病室に入ると、老人?が二人ベッドに座ったままでカメラを見てくれた。二人とも地雷に飛ばされ片足の先がなかった。ベッドは破れ、薬もない・・・。治療といえば消毒をして、ただ包帯を巻くだけだった。包帯も無いようで汚れていた、今、二人はどうなったのか・・・その時の厳しい時間がよみがえってくる。
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